読書記録:頭のいい人だけが解ける論理的思考問題

読書記録:頭のいい人だけが解ける論理的思考問題

メモを取りながら読むような本でもないですが、読書記録として。

答えのない時代を生き抜くには「考える力」が必要だ。論理的思考、批判思考、水平思考、俯瞰思考、多面的思考、5つの思考力を鍛える 67 の知的トレーニングを紹介。必要なのは「地頭力」だけ。Google、Microsoft などの入社試験でも出題される問題で世界レベルの「考える力」が手にはいる!

なお、著者のブログはこちらとのこと。https://sist8.com/

はじめに #

「コンセプチュアル・スキル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。さまざまな出来事に直面したときに、状況に応じて何が最適であるかを考え、正しい判断ができる力を指します。具体的には次の 10 の能力を指します。

  1. 論理的思考
  2. 水平思考
  3. 批判的思考
  4. 多面的視野
  5. 柔軟性
  6. 受容性
  7. 知的好奇心
  8. 探究心
  9. 応用力
  10. 俯瞰力

ハーバード大学教授のロバート・カッツ氏が 1950 年代に提唱し、のちに経営学者のピーター・ドラッカーが提唱した組織モデルにも、この能力は組み込まれていました。

10 のスキルのなかで「考える力」とも言えるのが、「論理的思考(ロジカル・シンキング)」「批判的思考(クリティカル・シンキング)」「水平思考(ラテラル・シンキング)」の3つ。セットで「トリプルシンキング」とも総称されています。それに加えて、「俯瞰力」「多面的視野」(この本ではそれぞれ、「俯瞰思考」「多面的思考」と呼びます)も外せません。

この5つは、「論理的思考問題」を解くために必要なスキルでもあります。そのため、筋トレと同じように論理的思考問題を解きながらこの5つのスキルを何度も駆使することで、おのずと鍛えられていくのです。

  1. 論理的思考:事実や情報を冷静に見抜き、順序や法則を整理して、矛盾のない適切な判断をする力。目の前にある情報に対して、「そこからわかることはなにか」と推論することで、新たな事実を明らかにしたり、解決策を見つけたりできる。
  2. 批判思考:前提となる情報や、直感に対して疑問を持って考え、本質を見抜く力。現状の事実や課題に対して、「本当にそうだろうか?」という視点で過程や要素を振り返り、論理性や矛盾点を確認することで本質的な真実にたどり着ける。
  3. 水平思考:既成概念や常識、先入観、過去の事例などにとらわれることなく、フラットな視点で自由に発想する力。行き詰まっている問題に対して、「他に何が考えられるか」という姿勢で向き合い、これまでとは異なる斬新な解決策や打開策を提示できる。
  4. 俯瞰思考:現状の視野や、細部にとらわれることなく、視座を高めて物事をとらえる力。「全体像はどうなっているのか?」と、広い視野で状況を眺めることで、見えていなかった情報や可能性に気づき、新たな発想や解決策を生み出せる。
  5. 多面的思考:物事に対して、ひとつの視点からではなく、複数の立場や角度など、あらゆる側面から考える力。「見方を変えるとどうなるか?」という視点で状況を眺めることで、新たな情報を得て、隠れた真実や見落としていた解決策に気づくことができる。

はじめの問題 #

消しゴムの値段 #

ボールペンと消しゴムは、合わせて 110 円。ボールペンは消しゴムより 100 円高い。では、消しゴムの値段は?

答え

5 円

コンサートの人数 #

あるコンサートで、開始時は観客が1人だったが、1分ごとに2倍に増え、12分で会場が満員になった。観客が会場のちょうど半分を占めたのは?

答え

11 分後

論理的思考 #

物事を体系的に整理し、そこから得た情報を根拠として、矛盾なく考える。それが、論理的思考です。英語では「ロジカル・シンキング」と呼ばれます。

「雲・雨・傘」で表すと、「雲が多く、雨が降りそうなので、傘を持っていく」。事実を観察して、そこからわかることを根拠に、判断をすることです。

温泉卓球の結果 #

温泉上がりの A、B、C の3人が、順番に卓球のシングル戦をおこなった。ルールは以下のとおり。

  • 『勝者は次の試合にも出る』
  • 『敗者は待機している人と交代し、次の試合には出られない』

最終試合が終了したところ、それぞれの試合数は以下となった。

  • A. 合計 10 試合
  • B. 合計 15 試合
  • C. 合計 17 試合

全体の第2試合で負けたのは誰?

答え

2試合目で負けたのは「A」

  • (10 + 15 + 17) / 2 = 21 試合が全試合数
  • 1試合目から参加して全敗した場合は、1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21 で合計 11 試合
  • 2試合目から参加して全敗した場合は、2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20 で合計 10 試合

「A」の合計 10 試合とは、は2試合目から参加しかつ全敗したケースでしか発生しない。

批判思考 #

いっけん正しく見える解釈や論理を、「本当にそうか?」と問い直す。それが、批判思考です。英語では「クリティカル・シンキング」と呼ばれます。

「『雲があると雨が降る』と、本当に言えるのか?」「雲以外に、気にするべきところはないのか?」など考え、検証する姿勢を指します。

消えた 1000 円 #

あなたはホテルの受付係である。3人組が一緒にホテルに泊まりに来た。宿泊料は1人1万円、合計3万円を受け取った。

その後、3人の場合、宿泊料は 2 万 5000 円だったと気づいたあなたは、5000 円を返そうとした。しかし「5000 円は3人で割れない」と考え、2000 円をポケットにしまい、残りの 3000 円を3人に返した。

3人組は3万円を支払ったあとで 3000 円の返金を受けたので、合計で 2 万 7000 円を支払ったことになる。あなたがくすねた 2000 円を足すと 2 万 9000 円。

残りの 1000 円はどこに消えたのだろうか?

答え

1000 円は消えていない。

文章の誘導がおかしく、最終的に3人は 2 万 7000 円を支払って、受付係が 2000 円をくすね、ホテルが 2 万 5000 円を受け取った。

逆風の飛行機 #

これからあなたは、飛行機で A 空港と B 空港を往復する。

A、B 間が「無風」のときと比べて、「A から B へつねに風が吹いている」とき、往復時間はどうなるだろうか?なお、風速は常に一定とする。

  • 変わらない
  • 無風のときより長くなる
  • 無風のときより短くなる
答え

「無風のときより長くなる」

行きは早く着き、帰りはその分だけ遅くなるから「変わらない」と直感では考えがちですが、例で計算すると分かります。

A、B 間の距離を 600km とし、無風のときの飛行機の速度を時速 200km とすると、行きは3時間、帰りも3時間です。

ここで風速 100km(時速)の風が吹いていると仮定すると、行きの速度は 200 + 100 = 時速 300km、帰りは 200 - 100 = 時速 100km となります。すると、行きは2時間、帰りは6時間となり、往復に要する時間は伸びます。

ボールの箱 #

箱の中に黒か白のボールが1つ入っている。

この箱に白いボールを1つ追加し、良く振ってからボールを取り出したところ、白だった。

箱の中に残ったボールの色を当てるには、あなたはどちらの色を答えるべきか?

答え

「白」と答えるべきである。

最初から入っているボールを「白」または「黒」とし、追加した白ボールを「白2」とすると、発生するパターンは全部で3つである。

  1. 箱の中には「白 + 白2」。ここから「白」を取り出した。残っているのは「白2」。
  2. 箱の中には「白 + 白2」。ここから「白2」を取り出した。残っているのは「白」。
  3. 箱の中には「黒 + 白2」。ここから「白2」を取り出した。残っているのは「黒」。

よって白の確率が3分の2である。

水平思考 #

既存の概念や常識にとらわれず、自由な発想でアイデアを生み出す。それが、水平思考です。論理的思考が「事実 → 解釈 → 判断」とタテに考え進めるのに対して、「別の方法はないか?」とヨコに考えるため、水平思考と呼ばれます。

英語では「ラテラル・シンキング」と呼ばれ、「傘以外に、雨を防ぐ方法はないか?」「家を出ないで目的を達成できないか?」など、まったく別の観点から考える姿勢を指します。

熊の色は? #

ある学者がテントを立てていると、熊があらわれた。学者はパニックになり、南へ 10km、東へ 10km、北へ 10km 走ったところ、テントに戻ってきてしまった。さて、熊の色は?

答え

「白」

学者は北極点にいる。

天秤と金貨 #

天秤と、9枚の金貨がある。1枚だけ他の金貨より軽い偽金貨が含まれている。

天秤を2回だけ使って、偽金貨を特定するにはどうすればよいか?

答え

金貨を3枚ずつ、3グループに分ける。最初にグループ1と2を天秤の左右に乗せる。どちらかに傾けば、上がったほうのグループに偽金貨が含まれている。釣り合えば、残ったグループ3に含まれている。天秤から一度金貨を取り除き、偽金貨が含まれているグループから1枚ずつ左右に乗せる。どちらかに傾けば、上がったほうが偽金貨であり、釣り合えば、残ったものが偽金貨である。

海外では「Balance Puzzle」と呼ばれる、論理的思考問題の王道ジャンルです。

コラム:アビリーンのパラドックス #

ある暑い日のこと、アメリカのテキサス州のある待ちで、家族が団欒していました。家族の1人が、離れたところのアビリーンへの旅行を提案しました。誰もその旅行を望んでいませんでしたが、みな家族の他の人は旅行をしたがっているものと思い込み、誰もその提案に反対しませんでした。

旅行から帰宅後、1人が「あまり楽しくなかったね」と本音を漏らしたのをきっかけに、次々に「自分だって行きたくなかった」と口々に不満を言いました。旅行が終わってはじめて、提案者を含めて、誰もアビリーンへ行きたくなかったという事実を知ったのです。

集団内のコミュニケーションが機能しない状況では、個々のメンバーが「自分の嗜好は集団のそれとは異なっている」と思い込み、集団の決定に対して異を唱えないために、集団は誤った結論を導き出してしまう。この現象は「アビリーンのパラドックス」と呼ばれます。

会社の会議でも、「誰も良いと思っていない案が最終的な結論になってしまった」ことがあるのではないでしょうか?集団という目に見えない存在に流されず、適切にコミュニケーションを行いましょう。