勉強メモ:一億人の英文法

勉強メモ:一億人の英文法

December 25, 2022

久々に再読。自分用の勉強メモ。

英語は配置のことば - P.20 #

英語に文型があるのは、英語が配置のことばだからです。

日本語では「は」や「を」が、文中で名詞がどんな働きをしているのかを示しています。だから文中で場所を入れ替えても文の意味は変わりません。

  • ジョンはメアリーを愛しています。
  • メアリーをジョンは愛しています。
  • 愛しています、ジョンはメアリーを。

一方、英語は場所によって意味を判断します。

  • John loves Mary.
  • Mary loves John.(意味が反対になる)
  • Loves Mary John.(意味不明)

このように、配置を変えると意味が変わってしまうのです。配置のことば、それが英語です。文型は文の設計図なのです。

修飾の2方向 - P.23 #

文型の各要素にとりつき詳しく述べる、それが「修飾」です。修飾は「前」に置くかそれとも「後」に置くかで働きが変わります。

前から修飾は「限定」

前からの修飾はターゲットを限定するように働きます。このルールは形容詞と名詞以外の修飾関係にも、常に成り立ちます。

  • That is a red sweater.(red が sweater を限定)
  • Nancy is very tall.(very が tall を限定)
  • I found the dog.(the が dog を限定)
  • She may be ill.(may が be ill を限定)

後ろから修飾は「説明」

ターゲットに説明を加えるとき、常に後ろに追記する形で修飾を行います。限定が絞り込む意識であるのに対し、こちらは説明を加えていく意識。

説明の意識は、言い足りない・不十分な表現に後から説明を加えていく意識です。

  • That sweater is red.(red が sweater を説明)
  • John is a student.(a student が John を説明)
  • I met her at the bus stop.(at the bus stop が I met her を説明)

ネイティブは基本文型で話す - P.48 #

  • 他動型(S + V + O):対象に力を及ぼす
  • 自動型(S + V):動作をあらわす
  • 説明型(S + V + C):主語を説明する
  • 授与型(S + V + O + O):手渡しをあらわす

ネイティブは自分の表現したい内容を、このうちのどれかのパターンにあてはめて文を作り出します。それぞれの文型には独自の意味が結びついています。ネイティブはその意味を手がかりにして、まずは文型を選ぶのです。

「他動型」があらわすのは「力が及ぶ」。例えば、彼女がジョンに平手打ちした場合、力が対象に及んでいます。こうした場合ネイティブは間髪を入れずにこの型を選択します。型を選択すればあとは簡単です。この型の構成要素、主語・動詞・目的後の場所に表現を「置いていけばいい」だけのこと。これで She slapped John. のできあがり。基本文型を選び、その設計図にしたがって表現を放り込んでいく。こうしてネイティブは英文を作り出しています。

日本語は「て・に・を・は」などの助詞を貼り付けて文の中での働きを示すことばです。対して英語は「配置のことば」。位置によって機能が示される言葉です。

「貼り付ける」感覚から「置いていく」感覚へ。それが英語文へのステップです。

基本文型:他動型(S + V + O) - P.66 #

  • My boyfriend kissed my sister!
  • Some students teased the new teacher.
  • Ellie has beautiful eyes.
  • I know Monet.
  • I like playing golf with my son.

動詞の後ろに目的語を1つ従えた型。それが他動型です。「動詞の力が対象物に加わる・及ぶ」それがこの型の意味です。

この型には常に「力が対象に及ぶ」強い感触があります。

  1. I know Monet.
  2. I know about Monet.
  3. I know of Monet.

日本語ではすべて「私はモネを知っている」ですが、受ける感触は大きく違います。

このなかで最も深い知識をもっているのは 1 です。知識が直接 Monet をおおう感触。それが他動型のもつ意識です。

基本文型:自動型(S + V) - P.69 #

  • My brother swims really fast.
  • My baseball team didn’t play well last night.

動詞の後ろに目的語がないこの型には、力が及ぶ対象がありません。つまり「単なる動作」を示します。

  • I looked at the girl.

自動型ではしばしば、動作が「何に対して・どのようになされるのか」を示す前置詞がコンビネーションで使われます。look は目を向けるという単なる動作です。それが何に対して行われたのかを at で説明しています。

他動型と自動型

  • He shot the bird.
  • He shot at the bird.

前者は命中するところまでを意味に含んでいます。後者は単なる行為、鳥めがけて撃ったところまでを説明していますが、命中までは意味に含んでいません。他動型と自動型のもつ意識の違いです。

基本文型:説明型(S + V + C) - P.71 #

  • My cousin is a delinquent kid.
  • My cousin is very moody.
  • My cousin is at the bowling alley.
  • Gary was angry at me.
  • Gary was a chef.
  • Gary was on duty.
  • Gary was fishing.
  • The trouble is that we don’t have enough money.
  • The problem is what we should do if the plan fails.
  • The question is whether we cancel our trip or not.

説明型は「主語を説明する」型です。最も頻度が高いのは be 動詞文。be 動詞の後ろに説明語句を置き、My cousin = a delinquent kid と説明します。

説明語句には何も制限はありません。説明として理解することができるものであれば、ほぼすべての要素をここに配置することができます。なんでも可能・自由です。

このとき、現在形の be 動詞は単なる「つなぎ」。それがネイティブの意識です。そのため現在形の be 動詞には短縮型(’m / ’s / ‘re)があったり、発音も弱く行われたりします。感情が激昂したときや、手短に切れ良く発言したいときは省略されることすらあります。

  • (Is) everything OK?
  • You (are a) liar!

ただし、be 動詞も過去形になると短縮はされません。つなぎではなく「過去のことを示す」意味が生まれるためです。このように意識のありようが短縮されるかどうかを決めているのです。

説明型は be 動詞以外の動詞にも使うことができます。

  • < be 動詞と類似の動詞>
    • become: Many workers have become jobless.
  • < 変化をあらわす動詞>
    • go: All the food went rotten.
    • get: I’m getting hungry.
    • turn: The autumn leaves are turning red.
  • < ある状態に留まることをあらわす動詞>
    • remain: The audience remained silent during the national anthem.
    • stay: It’s important to stay calm in an earthquake.
    • keep: I exercise every morning to keep fit.
  • <知覚印象をあらわす動詞>
    • look: Doesn’t she look gorgeous in that dress?
    • feel: My hair feels much softer with this new conditioner.
    • sound: The new video game sounds amazing.
  • <判断をあらわす動詞>
    • seem/appear: She seems/appears stressed out.
    • prove: His plan proved successful.

基本文型:授与型(S + V + O + O) - P.77 #

  • I gave the guy my cell phone number.
  • My parents bought me an iPad.
  • We wrote our teacher thank-you poems.
  • I wonder who sent me this Valentine card.
  • My old scooter costs me a lot of time and money.
  • It took me 3 hours to get home from school today, owing to the typhoon.
  • The hotel charged us $50 for losing our room key!

動詞の後ろに目的語2つを従えた授与型は、「A に B を授与する」をあらわす型です。目的語の順序は変えることができません。いつも「A に B を」の順番となります。

授与型は手渡しの意味合いになります。この形で手渡しされるのは具体的なモノだけではありません。「教えてくれる」「読んでくれる」などの、抽象的な手渡しにも使うことができます。また cost, take, charge などの単語を使えば、奪う意味関係もあわらします。「マイナスの授与」というわけです。

授与をあらわす、もう1つの形

「授与」をあらわすのは授与型の文だけではありません。前置詞を使ってもあらわすことができます。

  • She gave this love letter to me.(= She gave me this love letter.)

授与をあらわす場合には授与型が圧倒的にノーマルな形であり、前置詞を使って授与をあらわすこの形は代替型です。特に受け手を強調したいときに使われます。どちらも同じと考えずに、授与型ではあらわすことのできない細かいニュアンスを伝えたい場合の代替型だと考えてください。

目的語説明文(S + V + O + C) - P.86 #

  • Just call me Ken.
  • Everyone believed him a genius.
  • He smashed the lock open.
  • I consider him trustworthy.
  • I saw the players training.
  • Harry saw Lucy bullied by her classmate.
  • Didn’t you hear the phone ring?
  • I saw Mary cross the street.

目的語説明文(S + V + O + C)は「他動型」の発展型です。他動型の目的語の後ろに、その目的を説明するフレーズが付加される形です。

「説明は後ろから」という修飾のルールがありました。目的語説明文は、他動型と説明の修飾のコンビネーションです。

レポート文 - P.94 #

  • I think Mary is gorgeous.
  • Tom said today is his birthday!
  • Mom doesn’t understand that I want to live my own life.
  • Tom said to me he loved me.
  • He promised me he would try his best from now on.
  • I’m afraid that we cannot give you a refund.
  • I’m so sad he lost his job.
  • I’m sorry I’m late.
  • I didn’t know whether/if you had already paid the bill.
  • I didn’t know where I could get tickets for the concert.
  • Does anyone know when the baseball camp begins?
  • The teacher explained why bullying is bad.
  • I don’t have a clue how they did it.

「私は〜だと思います」「彼は〜だと言った」など、主語の発言や思考内容を展開するのがレポート文。この形を「動詞 + 節」と見てはなりません。「動詞の内容を後続文が説明している」と見るのです。そう、レポート文も「説明は後ろから」の修飾のルールに従った文なのです。think の内容を Mary is gorgeous が説明。said の内容を today is his birthday が説明。

レポート文の肝は欠乏感です。「I think」「Tom said」と言った後に、説明を補足しなくちゃという欠乏感が後ろに説明文をよび込む、それがレポート文の原動力です。

名詞:可算・不可算は臨機応変 - P.142 #

可算・不可算の区別は単純で「具体的で決まった形があるかどうか」です。ただし、これを判断するのは話し手の感覚によります。「dog は形があるから可算、water は不可算」と厳密に決まっているわけではありません。

  • Look at those pumpkins.
  • How much pumpkin did you put in the soup?

前者はコロコロしたカボチャを捉えているため可算の形をしており、後者は煮込まれて形のなくなったカボチャを捉えているため不可算の形をしています。

  • How many cakes did you eat?
  • How often do you eat cake?

前者は「いくつ?」と具体的なケーキを想定して話しているため可算を、後者はケーキという食べ物のことをいっているので不可算の形をしています。

  • Two buses came at the same time.
  • I go to school by bus.

こちらも同様で、前者は具体的な形を持ったもの、後者はバスという手段であって、具体的に1つのバスを思い浮かべているわけではありません。

  • I like coffee.
  • Three coffees, please.

前者は一般的なコーヒーというもの。後者はお店で注文するときです。コーヒーを液体として捉えるのではなく、カップに入っている品物として捉えています。「coffee は不可算」と杓子定規で決まるわけではありません。

  • Does she have enough experience for the job?
  • I had an unforgettable experience in London.

抽象的な一般的経験と、具体的なある経験です。抽象的なモノでも、具体性を与えられれば可算になるのです。

改めて、可算・不可算の区別は単純です。「具体的で決まった形があるかどうか」。難しいのはその基準をどう運用するかにあります。

名詞:「複数」が数の基本・「単数」は特別な数 - P.157 #

奇妙に感じられるかもしれませんが、ネイティブにとって「基本は複数」です。単数は「1」、複数はそれ以外全部。こう考えると単数はとても「特別」な数です。

何かを尋ねるときどちらを使いますか?

  • Do you have a silk tie?

  • Do you have silk ties?

  • Do you have a child?

  • Do you have children?

  • I like a dog.

  • I like dogs.

自然に響くのは複数のほう。わざわざ特殊な数「1」を選んで尋ねる必要はありません。お店には何本ものネクタイがあるでしょうし、子どもの数はわざわざ1人に限る必要もありません。

まずは複数形から入り、「1」が意識されるときには単数形を使う。これがネイティブの選択です。

名詞:限定詞「a/an」 - P.172 #

限定詞「a/an」は常に単数名詞と一緒に使われるため誤解を受けやすいですが、そのイメージの中核は「1つの」ではありません。

  • I’d like a chocolate donut. Just one, please.

もし「a」が「1つ」を強く主張するなら just one を伝える必要はありません。a は one とは違うのです。

「the」は聞き手にとっても了解済みの特定のモノを指す時に使われますが、「a/an」はある形を持ったものを思い浮かべながらも、特定のモノに決まらないときに使われます。

名詞:所有格を「広く」使う - P.206 #

所有格は「所有」だけをあらわすわけではありません。「強いつながり」をあらわす形でもあるのです。

  1. Well, here we are. This is my new apartment.
  2. The rock star’s sudden death shocked the world.
  3. Our top priority is our children’s education.

1 の文は単なる所有。ですが 2 はロックスターが死んだこと、3 は子供の教育。所有格は所有だけでなく、所有格と名詞のあいだの強いつながりをあらわすため、広く使うことができます。

名詞:固有名詞の作り方「the のあるなし」 - P.221 #

固有名詞のなかには、the が名称の一部になっているものが、数多くあります。the Red Ser(江海), the Sahara Desert(サハラ砂漠)、the Golden Bridge(金門橋)などがその例ですが、一方、London Bridge(ロンドン橋), SONY(ソニー), Shinjuku Station(新宿駅)には the が付きません。

「名前」ですから最終的にはそれを決めた人の意向もあり、100%の確度で the の有無を予測することはできませんが、そこには一定のルールと意識があります。

なぜ the が名前に付けられるのか

「名前は1つのもの・1人の人を指す」ためにあります。

London, Paris, New York, Tokyo は聞いただけで1つの場所が浮かびます。SONY, HONDA, TOYOTA の企業名も同じ。だからそのまま名前として通用します。

the がつけられるのはちょうどその逆。例えば米国大統領の住む the White House です。white house は一般的な単語の組み合わせであり、これだけだと、普通の白い家との区別がつきません。「1つを紛れなく示す」ために the が必要とされます。

the を必要としない形、必要とする形

the を必要としない形があります。一例が London Bridge です。bridge は一般的な単語ですが、London といった地名あるいは人名が冒頭に来ることで、特定の名称ということが意識され the は必要ありません。次の例はすべて the がつかない名前です。

Oxford University, Harvard University, Baker Street, Yale Avenue, London Bridge Station, Shinjuku Station

同じ橋でも the Golden Bridge には the が必要です。golden も bridge も一般的な単語ですので the がなければ名称だと特定できません。

この考え方と同様で、名称に of が入るケースでも the が必要です。the Tower of London がその例です。tower of London だけでは単なるロンドンの橋になってしまうため、特定の名称とするには the が必要となります。

the Bank of Japan, the Bank of England

権威づけるために the を使用する形

the がなくても構わない場合でもあえてつけるケースがあります。the には「1つ決まる、これしかない」という光のイメージがあり、「権威・有名・壮大」な感触があります。

この効果に期待して、ホテル名・新聞社名には通常 the が付けられています。他には博物館・美術館などにもしばしば the が付けられます。

the Sheraton Hotel, the Washington Post, the Metropolitan Museum, the Empire State Building

このケースの場合、the をつけるかどうかは命名者の判断によります。

形容詞:前から専門・後ろから専門 - P.240 #

「前から限定」・「後ろから説明」が形容詞の位置決めルールです。ほとんどの形容詞はどちらの位置にも置けますが、「前から専門」・「後ろから専門」の形容詞もあります。

前から専門

  • This is my only son. (INCORRECT: My son is only.)
  • This is the main road. (INCORRECT: This road is main.)

only や main が前にしか配置できない理由は、これらが「唯一の」「主要な」といった限定の意味を持った単語だからです。他にも mere(単なる)、chief(最も重要な)、former(前の)などがありますがこれらはすべて限定的な意味を持ったものです。

後ろから専門

  • He is still asleep. (INCORRECT: the asleep guy -> CORRECT: the sleeping guy)
  • I’m afraid of spiders. (INCORRECT: the afraid girl -> CORRECT: the scared girl)

逆に、説明に特化した単語は後ろ専門です。asleep, afraid は「(〜が)そうした状態にいる」という説明語で、常に後ろです。他には alive(生きている)、awake(起きている)、alone(1人でいる)などがあります。

前後で意味が変わる

前後どちらに置かれるかで意味がかわる形容詞もあります。certain は後ろに置かれれば「確信している・確実だ」ですが、前に置かれると「ある、一定の」となります。ほかにも late, present, old などがあります。

  • my late grandfather(私の亡くなった祖父)

  • I was late for the class.(授業に遅刻した)

  • the present situation(現在の状況)

  • I wasn’t present at that meeting.(ミーティングに出ていなかった)

  • an old friend of mine(昔からの友人)

  • He is old.(彼は歳をとっている)

比較:as-as と比較級を使い切る - P.287 / P.303 #

as-as

実は「比較の焦点」も「比較の対象」も大変自由に広げることができるのです。比較の焦点を tall のような1語だけではなくフレーズへと、比較の対象を Mary のような人や物だけでなくフレーズへと広げることができます。

  • I have as many CDs as Ken.

  • She is not as good at skiing as me.

  • Eva didn’t perform as well in the exam as Tess.

  • I think reading a book is as exciting as going to Disneyland.

  • To write Japanese is not as easy as to speak Japanese.

  • On camp, I ate as well as at home.

比較対象は文でも OK です。

  • My boss isn’t as decisive as he was a couple of years ago.(ボスは2年前ほど決断力がない)
  • Dad is not as grumpy as he used to be.(父は以前ほど気難しくない)
  • I don’t skip as many classes as you do!(君ほど授業をたくさんさぼらないよ!)
  • Chris isn’t as old as he looks.(見た目ほど歳をとっていない)

ここで重要なことは比較対象の文に穴が空いているということ。

  • My boss isn’t as decisive as he was (decisive) a couple of years ago.
  • Dad is not as grumpy as he used to be (grumpy).
  • I don’t skip as many classes as you do (-> skip) (many classes)!
  • Chris isn’t as old as he looks (old).(見た目ほど歳をとっていない)

比較級

比較級も as-as と同じように、than に後続する比較対象にはさまざまな表現を自由に使うことができます。

  • It’s cheaper to eat at home than at a restaurant.
  • Doing something is always better than doing nothing.
  • It’s healthier to play sport than to watch it on TV.

比較対象は文でも OK です。

  • He looks older than he actually is.
  • I’m more confident than I’ve ever been.
  • The meeting lasted longer than I expected.

as-as と同様、比較対象の文に穴が空いています。

  • He looks older than he actually is (older).
  • I’m more confident than I’ve ever been (confident).
  • The meeting lasted longer than I expected (the meeting lasted longer).

否定:not は常に後続を否定 - P.320 #

not は常に後続を否定します。

  • I don’t really like your new car.(君の新しい車、それほど好きじゃないな)

  • I really don’t like your new car.(君の新しい車、本当に嫌いだ)

  • My girlfriend is not always on time.(彼女、いつも時間通りに来るとは限らないんだ)

  • My girlfriend is always not on time.(彼女、いつも時間通りに来ないんだ)

not の場所によって意味が変わります。not は常に、否定したい要素の前に置くよう注意しましょう。

否定:not のクセ - P.324 #

not にはいくつかの独特なクセがあります。

「思う」文で前倒し

  • I don’t think it’s right.
  • I think it’s not right.

どちらの文も意味は同じですが、前者の方が圧倒的に自然です。本来言いたいことは「正しくない」ですから、後者の方が良さそうに見えますが…、これが not のもつクセです。

考えてみると、このクセが便利であることに気づきます。I don’t think … とはじまることで、話し手が内容を指示していないことが最初に示され、その後の展開がわかりやすくなります。もう1つの効用が「アタリをやわらなくする」という効果です。「it’s not right」と言われるよりも「don’t think it’s right」と言われることで表現がマイルドになります。逆に強く否定したい時は、後者のパターン「I think it’s not right.」が使われることもあります。

not を含んだ文に対する受け答え

  • Do you like your school uniform?
    • Yes, I do.(好き)
    • No, I don’t.(好きじゃない)
  • Don’t you like your school uniform?
    • Yes. I do.(好き)
    • No, I don’t(好きじゃない)

日本語と異なり、英語ではふつう疑問文と否定疑問文で答え方は変わりません。つまり not は勘定に入れないのです。

  • You’re not leaving me, right? - Of course not!(僕と別れたりしないよね? - もちろんよ!)

返答を Of course.で止めると「もちろんお別れするわよ!」になってしまいます。英語は not を勘定に入れませんから、返答にも not が必要です。

前置詞:前置詞のさまざまな位置 - P.370 #

英語は位置がすべて。置く場所によって動きが決まることばです。前置詞句も同じ。ターゲットの後ろに置けば常に「説明」。それでは前に置いたらどうなるでしょう。もちろん「限定」になります。

  • behind-the-scenes negotiation(舞台裏の交渉)
  • in-depth explanation(深く掘り下げた説明)
  • under-the-table(裏取引)

単なる「交渉」ではなく「舞台裏の交渉」と、その種類を限定するように働きます。また、主語に置けば、名詞として働きますよ。

  • Behind the sofa is a good place to hide.

前置詞:前置詞の選択 - P.375 #

前置詞はどうやって選択すればよいのでしょう。それは「イメージ」。

  • We had to change planes at Heathrow Airport.
  • We enjoyed some last-minute shopping in Heathrow Airport.

同じ「ヒースロー空港」なのに at と in が使い分けられていますね。前置詞の選択は感じ方の問題なのです。「点なら at」「内部なら in」。

前者はヒースロー空港を地図上の1点として考えているので at が適当な選択。後者では空港内部が彷彿とされる文脈だから in が選ばれているのです。

前置詞の選択は「その状況がどう感じられるのか」がすべてなのです。イメージをしっかりつかむこと。大切なのはそれだけです。

「椅子に座るのなら sit on」。こうした杓子定規な丸暗記も不要です。普通の椅子に「上に乗る」ように座るイメージならば on ですが、ふかふかのアームチェアに包まれるように座るイメージなら in を使うことで囲まれるイメージが生まれるのです。

WH 修飾:選びとる wh 語・つなげるだけの that - P.426 #

wh 語は選びとる

  • The woman who lives next door is an English teacher.

who をはじめ wh 語は、大変目立つ単語。選びとる強い意識が感じられるから。例えば疑問文を考えてみましょう。Who?, Where? は「誰?」「どこ?」と特定の人や場所をピックアップさせていますね。wh 修飾で使われる wh 語にも実は、同じ意識が通っています。

the woman who … は、いろいろいる女性の中から、どういう the woman なのか、その女性をピンポイントでつまみ上げてる意識。そしてつまみ上げたその女性に「この人は隣に住んでいるのだけど」と説明を加えているのです。

つなげるだけの that

  • Man is the only anima. that blushes.
  • The simplest emotion that we discover in the human mind is curiosity.
  • This is everything that I own.
  • Don’t believe all the stuff that you read in the papers.

that には who や which に優先して使われるケースがあります。ターゲットが「唯一」の意味を含む the only, the first/last, 最上級である場合、all, any, every, no が付く「全・無」を意味する場合にはふつう that が選ばれます。

どうして that が優先されるのでしょう。それは「選んでいない」から。

wh 語は誰・何を示しているのかピンポイントでつまみ上げる・選びとる表現でした。

もうわかったはず。上はすべて、選ぶ必要のない表現なのです。 the only と言えば「1つ」だけ。色々あるうちから選ぶ必要はそもそもない。だから「選びとる」wh 語は不自然に感じられ、単になめらかにつなげる that が使われるのです。ほかの表現も同じ。最上級も「1つ」だけ。everything, all the stuff は「全部」。そのうちの何かを選びとる必要はやっぱりありませんよね。

実は that が好まれるのは、これまで述べたケースだけではありません。

  • A team that doesn’t have a good coach has no chance of success.

ここで which はやや不自然です。a team が「チームというもの」つまりチーム一般を指しているからです。あるチームを「選びとっている」わけではない、だから that が自然な選択となるのです。

「どちらが自然に響くか」の問題なので、初心者のうちは深く考えすぎる必要はありません。迷った時は常に that を使っておけばいいです。

使用頻度と that の勧め

  • This is the girl Dave is going out with.
  • This is the girl that Dave is going out with.
  • This is the girl who Dave is going out with.

下にいくほど修飾関係がガッチリ感を加えます。使用頻度もこの順番で上が高いです。who の出番はそれほど多くはないと考えていいでしょう。

  • The dress she was wearing didn’t sui her at all.
  • The dress that she was wearing didn’t sui her at all.
  • The dress which she was wearing didn’t sui her at all.

特に which の場合、最後の文を積極的に使うネイティブはごくわずかになってきています。that を常に使っておけばセーフだと考えていただきたいです。

WH 修飾:カンマ付 wh 修飾は注釈を加える - P.435 #

  • The woman who designed my apartment is a Feng Shui expert.(Feng Shui = 風水)
  • My brother Geoff, who is a chef, lives in Newcastle.

カンマがあるのとないので気分はまるで違います。カンマなしの場合は、ターゲットを絞り込んでいるのです。

一方カンマ付の場合、修飾語句はターゲットを絞り込むために付けられているのではありません。my brother Geoff で十分だれのことかはわかりますからね。カンマ付は追加情報。話の本筋から外れて追加情報を盛り込むのに使っているのです。「兄のジェフ、シェフをやっているんだけど、彼はニューキャッスルに住んでいるんだよ」。

カンマ付の場合は that でつなげることはできず、必ず who や which を使う必要があります。wh 語でしっかりとターゲットを受けておかないと、修飾関係が希薄になってしまうためです。

また which は単語だけでなく、先行する表現や文内容全体を受けることもできます。

  • I had to play the piano in front of the whole school, which was really nerve-wracking.(全校生徒の前でピアノの演奏をしなければいけなくなった。本当にドキドキだったよ。)
  • If he ever went out on the town, which didn’t happen very often, he usually came home drunk.(街に出ることがありさえすれば、それはそんなによくあることではなかったが、彼は酔っ払って家に帰るのがふつうだった。)

動詞 - ING 形:意味上の主語 - P.445 #

ing に意味上の主語を加えたいなら、所有格を使います。

  • Crying is natural.
  • My baby’s constant crying is pretty stressful.

TO 不定詞:意味上の主語 - P.456 #

to 不定詞に意味上の主語を加えたいなら、for を使います。

  • To drink and drive is unforgivable.
  • For anyone to drink and drive is unforgivable.
  • It is difficult for us to speak English.

過去分詞形:受動文が好んで使われるケース - P.477 #

受動文の頻度は高くありません。特に会話文ではふつうの形(能動文)が圧倒的に優先されます。受動文は、行為の受け手にハイライトを当てる特別な形。好んで使われる「タイミング」があるのです。

1.誰がやったのかわからない・言う必要がない場合

  • The Egyptian pyramids were built over 4,500 years ago.
  • English is spoken worldwide.

行為者をのべることができないとき、述べる必要がないとき、受動文は便利に使われます。

2.頭でっかちな文を避ける場合

  • The tremendous support I have received from all my family and friends has encouraged me.
  • I have been encouraged by the tremendous support I have received from all my family and friends.

受動文は、分の形を整える意図で使われることもあります。援護は「頭でっかち」を嫌います。前者のような、主語(The tremendous support I have received from all my family and friends)が大きく述語が小さな形はバランスが悪く感じられます。

そこで受動文。主語と目的語を入れ替えることによって、バランスよい分の出来上がりです。

3.話題の中心をそらさない場合

  • 良い文章
    • Our internet marketing company was founded by Tony Brown in 2002. Since that time, it has produced over 1000 custom web sites.(我々のネットマーケティング会社は 2002 年にトニー・ブラウンによって設立されました。そのときから現在まで我が社は 1000 以上のウェブサイトを作ってきました。)
  • 良くない文章
    • Tony Brown founded our internet marketing company in 2002. Since that time, it has produced over 1000 custom web sites.(トニー・ブラウンは 2002 年に我々のネットマーケティング会社を設立しました。そのときから現在まで、我が社は 1000 以上のウェブサイトを作ってきました。)

善者の文は、話題の焦点である主語が会社に定まっており、文が読みやすいです。後者は1文目がトニー・ブラウンに焦点が当たった後、2文目で会社に焦点が移っています。

受動文を使うという工夫が入ることで、「我が社は…。その会社は…。」と一貫した流れが出来上がっているのです。

4.話に一般性をもたらす場合

これは日本語でも使われているテクニックです。

  • It is often said that English is a difficult language.

「太郎くんは英語が難しいことばだと言った」というよりも、はるかに一般性があるないように聞こえます。

受動文にすれば「誰が言ったのか」を省略することができ、このように発信者を伏せることによって「一般に」そうしたことが言われているという印象を作ることができます。

過去分詞形:受動文のあわらず状態と行為 - P.482 #

  • Smoochy is buried in the pet cemetery.(スムーチーはペット墓地に埋葬されている。)
  • Smoochy was buried in the pet cemetery.(スムーチーはペット墓地に埋葬された。)

前者は埋められているという「状態」を表しています。一方で後者は「行為」です。

受動文は「行為」にも、その結果生じた「状態」にも使えるということです。

  • I wanted to get some fruit, but the shop was closed.(果物を買いたかったが、その店は閉まっていた。)
  • The shop was closed at 10:00 as usual.(店はいつものように 10 時に閉められた。)

過去分詞形:受動文を使わないケース - P.484 #

多くの他動詞には「性質をあらわすことができる」というクセがあります。

「このバッテリーはすばやく充電できます。」と言ってみましょう。

  • These batteries are charged quickly.

このような文が作られるでしょうか、これは良い文とは言えません。より自然なのは、

  • These batteries charges quickly.

これがクセです。本来「充電する」という行為をあらわす他動詞 charge が「充電できる」という性質をあらわすために使われているのです。

この「行為から性質への意味の広がり」は、自然な意識の流れの結果です。「この電池、すごい速さで充電するんだよ!」この意識の流れが、行為を性質につなげています。

  • These juice cartons open easily.(このジュース箱は簡単に開く。)
  • Does your new car drive well?(君の新しい車は良く走るの?)
  • Green peppers don’t peel easily.(ピーマンは簡単には剥けない。)
  • Our books are selling well.(私たちの本はよく売れている。)

過去分詞形:授与をあわらす受動文 - P.484 #

  • Someone gave Mary a trophy.

  • A trophy was given Mary.

  • Someone gave a trophy to Mary.

  • A trophy was given to Mary.

能動文の場合は、前者のかたち(Someone give Mary a trophy.)が第一候補にきます。後者はあくまで代替形の立ち位置です。

一方で受動文の場合は、後者のかたち(A trophy was given to Mary.)が圧倒的にポピュラーです。

この文の意味の力点は「メアリーに与えられた」にあり、応分の目立つかたちを後ろに置きたいという意識が代替形を選択させています。

時表現:現在形 - その他のポイント - P.552 #

時表現は、必ずしも現実の物理的な時間に対応して使い分けられているわけではありません。「今が 12:00 だから、11:00 のできごとは過去形。13:00 のできごとは未来形」と機械的に決まっているわけではないのです。時は心の中。どう感じるか。これが選択の基準です。今起こっていると感じれば、未来や過去のできごとであっても、現在形を使うことができるのです。

  • When you arrive at the hotel, please give me a call.
  • If you exercise every day, you’ll soon lose weight.

このように時や条件をあらわす修飾節では、未来のことであっても現在形を用いるのがふつうです。

「ホテルに着いたとき電話してね」と述べるとき、私たちはホテルに着いたことを前提として話をしていますね。つまり、意識の中では「今起こっている」ものとしてとらえているのです。だから現在形が使われます。if 節も同じです。「毎日運動する」これを前提としているから現在形となります。

  • Give me a call before you arrive at the hotel.
  • I’ll get back to you as soon as I know the exact dates.
  • We can go for lunch after I finish my class.

これらも同じです。

現在完了形が用いられる場合

そのときまでにできごとが「完了」していることに焦点があるときには、現在完了形を用います。

  • The garage will give us a call when they’ve finished the repairs.

車の修理が終わっている、それが前提。だから現在完了が使われています。

will や be going to が加えられる場合

will, be going to の意味を特別に加えたいときには、使うこともできます。

  • If you are going to ditch me, just say so.(もし私を捨てるつもりなら、せめてそう言ってよ。)
  • If you will keep pulling its tail, of course it will bite you.(しつこく尻尾を引っ張り続けたら、当然噛まれるよ。)

「もし私を捨てるなら」ではなく「もし私を捨てるつもりなら」、「もし引っ張り続けたら」ではなく「もし引っ張り続けることに執着する(意志)」なら、という意味が加わっています。

過去のできごとに現在形を使うこともある

  • Janet: I was reading a book in bed last night when suddenly the room starts to shake and the lights go out. I freaked out!(ジャネット:ベットで昨日の夜、本を呼んでいたの。そしたら突然部屋が揺れ始めて電気が消えたの。ぞっとしたわ。)
  • Miyuki: That was just an earthquake!(ただの地震ね。)

ジャネットは昨日のできごととしてこの文を始めています(I was reading)。しかし途中からあたかも自分がその場所にいるような一体感をもつにいたって、現在形にスイッチしているのです(starts, go)。

「話し手がその場にいる」それが伝わるから、臨場感にあふれる表現になっています。過去のできごとも、今起こっていると意識されたら使われるのは現在形。特に会話では無意識に多用されます。

未来のことに過去形を使うことだってある

  • You’re going to see Johnny Depp’s latest movie tonight? Tell me what it was like tomorrow, OK?(今晩ジョニー・デップの最新映画を見るつもりなの?どんなふうだったか明日教えてね。)

「映画を見る」のは未来(今晩)の出来事ですが、その後 it was … と過去形が使われています。これは話し手が、明日の時点に自分がいる意識で話しているからです。明日の自分からすれば、tonight は過去になります。

日本語でも「明日に会ったら、そのとき何を見たか(過去)教えてね。」と言います。これと同じです。「感じたままに使う」のが時制表現です。

時表現:完了形 - 過去完了はさかのぼる意識 - P.576 #

過去完了形は単に「ある過去時点の前に起こったできごと」をあらわす形ではありません。

  • These two bullies came up to me, pushed me against a wall, punched me in the face, and took all my money.(その2人のいじめっ子は私に近づいてきて、壁に押し付け、顔にパンチして、金を全部奪った。)

お金を全部奪った時点が過去であるなら、その前の「近づいてきて」「壁に押し付け」「顔にパンチして」は、すべてそれ以前のこと。でも、だからといって過去完了形が使われるわけではありません。

過去完了形には、ある過去の時点「までに起こった」という意識が必要です。「ある時点を起点にその前にさかのぼる意識」といってもいいでしょう。できごとを順番に並べただけのこの形に、過去完了形は使えないのです。

  • The fire had already spread throughout the building when the fire engines arrived.(消防車が到着したときには、火災はすでにビル全体に広がっていた。)

話し手の意識は消防車が到着した時点にあります。そして「そのときまでには」とそれ以前のできごとにさかのぼる。だからこの文では過去完了がピッタリなのです。

時表現:時制の一致 - 時制の一致と助動詞・仮定法 - P.603 #

  • She said she would go out with me, but she changed her mind.
  • I told them we might be a bit late.
  • What? But you promised you could finish the job by today.
  • My Mom said I must be home by 11 p.m.
  • My doctor advised I should quit smoking.

過去形の文の従属節に助動詞を使いたいときは、助動詞も過去形にあわせます。will, may, can はそのまま would, might,could とすれば完成です。

でも助動詞の中には過去形をもたないものもあります。must や should がそれです。この場合は助動詞はそのままで大丈夫です。ないものはしょうがないということです。