フィリピン留学 - MONOL1か月終了して振り返り

フィリピン留学 - MONOL1か月終了して振り返り

February 18, 2020

MONOL に来て1か月が終了しました。これまでの記事では休日の過ごし方のことばかり書いてきましたが、今回は MONOL の運営やカリキュラムについて、実際に経験して抱いた感想を述べたいと思います。今後、フィリピン(バギオ)留学を検討している方への参考となれば幸いです。

1.施設・設備について #

施設・設備に関しては全く不満は抱きませんでした。

水・お湯は給水設備からいつでも入手可能。毎日1リットル以上は飲んでいますが、お腹を壊したこともありません。

次に食事ですが、個人的には、ややおいしいといった感想です。周りの人に聞いてみても、大体の人の意見としては、すごくおいしいというわけではないが、決してまずくはない、という感想のようです。

部屋は清潔です。部屋に虫が出ることを心配していたのですが、1週間に1回ほど小さなアリをみかける程度です。日本では家の中でたまにクモをみかけますが、それがアリになるような感じです。虫についてはそれほど心配する必要はないと思います。

シャワーもお湯が出ますし、火傷するほど温度を上げることも可能です。水圧は若干弱いですが、それでも泡を流すのにいつもより1,2分余分に時間がかかる、といった程度で、普通に使うことができます。

2.他の生徒について #

真面目な生徒が多いです。自習室はそこそこの広さがあるのですが、それがたびたび埋まるほど、みんな真面目に勉強しています。(宿題がそれなりに課されるため、自習をせざる負えないという環境であることも影響していると思います。)とはいえ、わざわざバギオを選んで留学してくる方々ですから、本質的に真面目な人が多いのは間違いないです。

ただし、社会人と比較すると、大学生の方で不真面さに欠ける方が若干名見受けられます(大学生の方、気を悪くしたらすみません)。もちろん、全ての大学生がそうというわけでは決してありませんが、社会人と大学生の平均値で比較すると、上記のように感じます。

留学時期を選ぶことのできる方でより真面目な環境を欲する方は、大学生が少ないシーズンを選択するのもありかもしれません。

また国籍の比率は時期により変動します。MONOL の公式ブログで随時情報が提供されるため、そちらをご参照ください。

なおコロナウイルスの関係で、いまの MONOL の生徒状況は特殊になっており、かなりの割合を日本人生徒が占めているように感じます。特別な事情なので仕方がないですが、個人的には少々不満を感じる点です。

3.運営について #

MONOL について個人的に最も感心したのは運営についてです。コロナウイルスが世間を騒がし始めた先月、バギオでも街中のドラッグストアでマスクが売り切れている中、MONOL はどこからか大量のマスクを仕入れてきて、生徒(および先生・職員)に1日1枚無料で配布するようになりました。加えて、すべての部屋に消毒液を設置するなど、運営の対応の内容・速さは素晴らしいと思いました。

日常的な面では、自分の担当教師が急に休んだ場合には、すぐに変わりの教師を用意するなど、当たり前といえば当たり前なのですが、それを当然のごとくにこなせているため、運営の体制作りは相当整っているのだと感じました。留学中の部屋の変更(もちろん、変更可能な部屋があれば、ですが)や、授業の追加・キャンセル、それに伴う返金なども比較的すぐに対応してくださいます。

一言でいうと、MONOL の運営は信頼して良いと思います。

4.カリキュラム(ESL コース)について #

学校を選ぶ中で最も重視すべきはそのカリキュラムだと考えています。また、カリキュラムの詳細な部分までは留学エージェントでも紹介されないため、この点については詳細に書いていきたいと思います。

私が受講しているコースについて #

私は「One on One ESL」というコースを受講しています。MONOL の最もポピュラーな ESL コースである「Regular Speaking ESL」コースと比較すると下記の通りです(なお One on One ESL コースも同じくらい人気があり、受講者も多いです)。

  • 「Regular Speaking ESL」コース

    • リスニング:2時間/マンツーマン
    • リーディング:1時間/マンツーマン
    • スピーキング:2時間/グループ
    • ライティング:1時間/グループ
    • プロナンシエイション:1時間/グループ
  • 「One on One ESL」

    • リスニング:2時間/マンツーマン
    • リーディング:1時間/マンツーマン
    • 以下、A or B から1つ選択
      • A)スピーキング:2時間/マンツーマン
      • B)ライティング:1時間 & プロナンシエイション:1時間/マンツーマン

私は「One on One ESL」を受講しているわけですが、追加料金を支払って、上記の A および B の両方の授業を受講しています。そのため「Regular Speaking ESL」コースと同じ7時間の授業をすべて受講しています。なお「One on One ESL」と「Regular Speaking ESL」で使用するテキスト・授業の進め方は同じです。

従って、より分かりやすいイメージとしては「Regular Speaking ESL」コースをすべてマンツーマンで受けているだけ、といった方が良いかもしれません。

私が受講しているレベルについて #

ESL コースは5つのレベルに分かれています。上位のレベルから順に下記の通りです。

  1. Essential ESL – Advanced
  2. Essential ESL – Intermediate
  3. Essential ESL – Elementary
  4. Foundation ESL – Advanced
  5. Foundation ESL – Elementary

レベルは入学時に受けるレベルチェックテストの結果で決まります。私は上から2番目の「2.Essential ESL – Intermediate」でした。なお「1.Essential ESL – Advanced」と「5.Foundation ESL – Elementary」の方を見かけることはほとんどないため、基本的には 2 ~ 4 のどれかのレベルに振り分けられると思います。

使用する教材 #

市販のテキストではなく、MONOL が作成した教材を使用します。各科目について下記の通り2冊のテキストが用意されます。

  1. Student’s Book … 授業で使用するテキスト
  2. Work Book … 宿題で使用するテキスト

授業は「リスニング」「リーディング」「スピーキング」「ライティング」「プロナンシエイション」の全5科目ですので、テキストは合計 10 冊になります。

ご参考までに、下記が私の使っているテキストの写真です(リーディングのテキストを写真に入れ忘れたため、下記に写っているのは合計8冊)。

Text Book of MONOL / MONOLのテキスト

以下では、各テキストの内容、つまり授業でどのようなことをやるかについて説明していきます。なお、テキストの中身を写した写真を載せるのは良くないと思いますので、文字での説明に留めさせていただきます。

1.リスニング #

リスニングは2時間連続の授業です。前半1時間と後半1時間で合計2つのトピックを扱い、リスニング学習します。

具体的な流れ #

  1. イントロダクション:これから扱うトピックに関連した質問を先生から受け、回答・雑談する。(3 ~ 5 分ほど)
  2. メイン1:トピックについて話している音声をリスニングする。その後、リスニングした内容をもとにテキストに記載されている問題に解答する(問題例「人類を団結させる鍵は何か」 → 解答例「共通の脅威」)。聞き取れない場合は何回か聞く。(5 ~ 10 分ほど)
  3. メイン2:話されている内容について先生が解説する(「こんな内容が話されているんだよ」「こんな単語が使われているよ」など)。その後、改めて音声をリスニングし、さきほどの解答の確認・修正を行う。(25 ~ 30 分ほど)
  4. メイン3:先生とともに解答の確認を行う。(5 分ほど)
  5. メイン4:トピックの内容について要約文を作る。(5 分ほど)
  6. サプリメント:トピック内で利用された文法や発音を確認する。(5 ~ 10 分ほど)

2.リーディング #

リーディングは1時間の授業です。

具体的な流れ #

  1. イントロダクション:これから扱うトピックに関連した質問を先生から受け、回答・雑談する。(3 ~ 5 分ほど)
  2. メイン1:トピックに関する文章をリーディングする。その後、リーディングした内容をもとにテキストに記載されている問題に解答する(問題例「マイケル・ジャクソンはなんと呼ばれたか」 → 解答例「キング・オブ・ポップ」)。(10 ~ 15 分ほど)
  3. メイン2:話されている内容について先生が解説する(「こんな内容が話されているんだよ」「こんな単語が使われているよ」など)。その後、改めてリーディングし、さきほどの解答の確認・修正を行う。(5 ~ 10 分ほど)
  4. メイン3:先生とともに解答の確認を行う。(5 ~ 10 分ほど)
  5. メイン4:トピックの内容について要約文を作る。(5 ~ 10 分ほど)
  6. サプリメント:トピック内で利用された文法を確認する。(5 ~ 10 分ほど)

リーディングの授業は奇数回と偶数回で内容が異なります。奇数回については上記の通りです。偶数回の授業はスピード・リーディングということで1時間の中で2つのトピック(文章)をリーディングします。つまりスピード感を持って上記を2回行うような形です。

3.スピーキング #

スピーキングは2時間連続の授業です。2回の授業(=4時間)で1トピックを扱います。授業の具体的な流れを書くのが難しいのですが、例えば「容姿」がトピックだった回は下記のように進みました。

  1. 人の容姿を表現する方法(文法・使用する単語など)を学ぶ。
  2. テキストにのっている写真の人物を表現してみる。
  3. テキストにのっている人物の中から、自分の好みの容姿を持つ人物を選ぶ。選んだ理由を説明する。
  4. 容姿と人柄のどちらが大切と思うか、その理由を説明する。

基本的には1で今回扱う表現を学んだあとは、それを利用してたくさん会話するといった形になります。生徒(=私)にたくさん話させようと、先生が色々と質問してくれます。

4.ライティング #

ライティングは1時間の授業です。2回の授業で1トピックを扱います。奇数回と偶数回で内容が異なります。

具体的な流れ:奇数回 #

  1. イントロダクション:これから扱うトピックに関連した質問を先生から受け、回答・雑談する。(10 ~ 15 分ほど)
  2. メイン1:今回扱う文法を学習する。(15 ~ 20 分ほど)
  3. メイン2:習った文法を使用して1行の文章をいくつか作る。(15 ~ 20 分ほど)

具体的な流れ:偶数回 #

  1. メイン1:前回(奇数回)習った文法を利用し、最低 10 行ほどのエッセイを作る。
  2. メイン2:先生に添削してもらう。

5.プロナンシエイション #

プロナンシエイションは1時間の授業です。

具体的な流れ #

  1. 今回扱う発音について学ぶ(例「æ / ɑ / ʌ の発音の仕方」)。
  2. 上記発音が含まれる単語を発音し、先生にチェックしてもらう。
  3. 上記発音が含まれるフレーズ(いくつかの単語のかたまり)を発音し、先生にチェックしてもらう。
  4. 上記発音が含まれるセンテンスを発音し、先生にチェックしてもらう。
  5. 上記発音が含まれる単語を先生が発音し、生徒はその単語を書きとる。

ホームワーク(宿題) #

頻度は教科によりますが、少なくとも1日に1つ以上のホームワークが出ます。内容は下記のような感じです。

  • リスニング
    • 音声を聞き、その内容をもとに問題に答える。
    • 5個単語が指示され、その単語の意味を調べる。その単語を用いて例文を作る。
  • リーディング
    • 授業で扱った文章に関連した追加の問題に答える。
    • 5個単語が指示され、その単語の意味を調べる。その単語を用いて例文を作る。
  • スピーキング
    • 音声を聞き、音声中に出てきた表現を使って自分で文章を作る。
    • 5個単語が指示され、その単語の意味を調べる。その単語を用いて例文を作る。
  • ライティング
    • エッセイについて、先生に添削された内容をもとに書き直す。
    • 5個単語が指示され、その単語の意味を調べる。その単語を用いて例文を作る。
  • プロナンシエイション
    • 指定された単語・文章の発音(=音読)練習をする。
    • 5個単語が指示され、その単語の意味を調べる。その単語を用いて例文を作る。

カリキュラムに関する感想 #

概ね満足しています。バギオ地域の他の学校でも留学したことのある方の意見も聞きましたが、MONOL のカリキュラムには概ね満足しているようです。

ただ、不満点が全くないわけではありません。そのすべてをここに書き出そうとは思いませんが、2点だけ挙げておきます。

1.マンツーマン授業でも、グループ授業用のテキストを使用している点 #

特に、スピーキングのテキストはグループでディスカッションを促すような形のテキストとなっているため、マンツーマン授業には不適格だと感じます。

もちろんテキストが不適格だから授業が成立しないというわけではありません。テキストに関係する内容・しない内容かかわらず先生と2時間ひたすら会話をするため、スピーキングの学習には確かになります。しかし、テキストの代金もしっかり払っているわけで、その肝心のテキストの存在意義が理解しがたいのもまた確かです。

2.ホームワークの単語学習プロセスに無駄を感じる点 #

ホームワークの説明の中で、下記の記述がたくさん出てきたと思います。

→「5個単語が指示され、その単語の意味を調べる。その単語を用いて1行の文章を作る。」

上記は、指示された単語の意味を調べ、それを英語で説明(する文章を記述)し、次にその単語を例文を作るというものですが、ここで無駄に感じるのは、単語を英語で説明させようとするプロセスの部分です。

例えばすでに自分が知っている単語であっても、それを英語で説明しようとするとそれなりに苦戦します。また、この宿題は各教科でそれぞれ課されるため、ちりも積もれば山となるの如し、意外に時間をとられる作業になります。しかし正直なところ、掛かった時間に対して大きなものが得られたという実感もなく、別に日本語で意味を理解していれば十分ではないか、と思ってしまいました。

また、これについては他の生徒も同様に不満に感じている人が多いようです。

最後に #

さて、ここまで MONOL について色々と書いてきました。

(どこの学校もそうだと思いますが)一切不満のない 100%の大満足、はなかなか難しいですが、バギオ地域の中でもしっかりした学校の1つであることは確かだと思います。

この記事が皆さんのバギオ留学の際の参考になりましたら幸いです。