フィリピン留学準備 - 精読の勉強

フィリピン留学準備 - 精読の勉強

December 23, 2019

フィリピン留学に向けた事前勉強の記録、今回は精読編です。

念のためご説明しておくと、精読とは文章を正しく読んで意味を正しく捉えること……が本来の意味ではありますが、英語学習において精読と言った場合、複雑な構造を持つ英文を正しく読み取ること、を指すことが多いです。

少し例を出してみます。以下3つの文を訳すことができるでしょうか。

  1. I like soccer.
  2. The sacred ritual was canceled.
  3. This is the money I have to buy that bag.

1番は分かりますね。「私はサッカーが好きです。」です。特に迷うところもない、簡単な文章です。

次に2番はどうでしょう。ここで、「sacred」は「神聖な」という意味、「ritual」は「儀式」という意味ですが、単語の意味さえ分かれば後は読めそうですね。

2番は「その神聖な儀式は中止になりました。」です。たとえ難しい単語が入っていても、単語の意味さえ分かればあとは簡単に読むことができる文章です。

では3番はどうでしょうか。それぞれの単語自体はとても簡単だと思いますが、訳せますか。

3番は「これは、あのバッグを買うために私が持っているお金です。」になります。単語の意味が分かっていても、文章の構造を読み解けていなかったために、正しく訳せなかった方もいるかもしれません。

3番の文章をわかりやすく分割すると、下記のようになります。

This is the money ( I have ) ( to buy that bag ) .

まず、This is the money の money が関係代名詞の節「(which)I have 」により修飾されています。※今回の文章では関係代名詞 which は省略されています。

そして、同じく money に対して不定詞「 to buy that bag 」が修飾しています。

その結果「これは、to buy that bag するために I have しているお金です。」となり、先の訳の通りになります。

また、人によっては「 have to(=~すべき)」に引っ張られて、「これは、あのバッグを買わなければいけないために私が持っているお金です。」と訳した方もいるかもしれませんが、このように訳してしまった方は、残念ながら構造が正しく理解できていません。

「 have to 」で訳そうとした場合、関係代名詞の節の中身が「 I have to buy that bag 」となりますが、これは文法的に不可能です。関係代名詞の節の中身は主語か目的語が欠けていなければいけないのですが、この場合だと欠けた所のない完全な文章となってしまいます。

つまり「 have to 」を使用した文章構造と解釈することは不可能なため、今回の文章構造は先に示した正解の通りになります。

どうでしょう。皆さんは文章構造を正しく読み取ることができたでしょうか。

精読とはつまり、このように文章の構造を正しく読み取るためのトレーニングといったところです。

…偉そうに書いてますが、何を隠そう、私も勉強する前は、「なんだ簡単じゃん。これは have to を使っているんでしょ。」と意気揚々と訳していましたので安心してください笑

はい、前置きが長くなりましたが、以下、今回の勉強で使ったテキストです。

ちなみに、この記事では「精読」と呼んでいますが、「英文読解」と呼ぶ人もいたり「英文解釈」と呼ぶ人もいたりします。

使用した教材 #

  • 書籍「英文読解入門基本はここだ!」代々木ライブラリー
  • 書籍「入門英文問題精講(4訂版)」旺文社
  • 書籍「基礎英文問題精講(3訂版)」旺文社
  • 書籍「ポレポレ英文読解プロセス 50」代々木ライブラリー

以下で個別に説明します。

「英文読解入門基本はここだ!」代々木ライブラリー #

amazon リンク - 「英文読解入門基本はここだ!」

精読の手順について、ゼロから丁寧に教えてくれます。主語や動詞をどうやって見つけるか、節の切れ目をどうやって見つけるかなどなど…。

これは素直に良いテキストだなぁと思います。精読の勉強をする人はまず最初にこのテキストから入ってみると良いのではないでしょうか。筆者に若干クセがありますが(読んでみればわかります)、まぁとにもかくにも良いテキストだと思いました。

なお、このテキストに限った話ではないですが、精読の勉強にあたっては、事前に文法を一通り勉強しておきましょう。例えば「関係代名詞」「関係副詞」と言われて、なにそれ聞いたことない、となってしまう場合は、精読をやる前にまず文法をやるべきです。基本的に精読の参考書の解説は、文法学習が一通り終わっている前提で作られていますので、そこだけご注意ください。

「入門英文問題精講(4訂版)」旺文社 #

amazon リンク - 「入門英文問題精講(4訂版)」

先述の「英文読解入門基本はここだ!」の次にやると良いと思います。

これも素直に良いテキストです。2019 年に内容全面改訂をして4訂版になったようです。前回版の内容は知らないためどのように変わったかは分かりませんが、改訂は大成功じゃないでしょうか。

「英文読解入門基本はここだ!」は精読の手順を説明した本でしたが、この本は問題集です。しかし解答の解説にて、精読手順まで踏み込んで非常に丁寧に説明してくれるため、手順テキスト兼問題集といった感じです。

「基礎英文問題精講(3訂版)」旺文社 #

amazon リンク - 「基礎英文問題精講(3訂版)」

先の「入門英文問題精講(4訂版)」の難易度1つ上の問題集です。

悪いテキストではないですが、普通の問題集といったところですね。同じような難易度の問題集は他の出版社も出しているため、あとは各々が好きなテキストに取り組めばよいと思います。

全 190 題と問題がたくさん収録されているのが利点ですが、私はメインの 40 題しか取り組みませんでした(問題集が悪いというわけでなく、私が勝手にメインどころのみつまみ食いをしただけです)。

気になった点としては、今の版(3訂版)が作られたのが 2004 年のため、時代にそぐわないかなと引っかかる英文も収録されています。

具体的には「(一般的な)人」を指す語として「man」が使われていますが、今の時代はもう「person」とすべきなんだろうな、と思ったり。

あとは「child」を指す代名詞として「it」が使われていて、これは驚きでした。まさか「child」だとは思わず、最初「it」が何を指しているかがわからなかったです。これって「child」を指しているとしか思えないよな…と思っていたら案の定でした。

決して、出版社に悪意があるわけではなく(かつ、この本は大学入試で出題された問題を選び抜いているだけなので、出版社が問題を作っているわけではないです)、単に時代が変わっただけという話ではありますが、そろそろ次の改訂版を出すときが来たのかもしれませんね。

「ポレポレ英文読解プロセス 50」代々木ライブラリー #

amazon リンク - 「ポレポレ英文読解プロセス 50」

先述の「英文読解入門基本はここだ!」の姉妹本です。「英文読解入門基本はここだ!」が精読の手順テキストだったのに対し、こちらは問題集の要素もあり、手順テキスト兼問題集といったところです。ただし、難易度が高いです。

これも良い本だと思います。難しい問題に取り組みたい方におすすめです。

まとめ #

これから精読の勉強を始めるという方は下記の進め方が良いです。

まず「英文読解入門基本はここだ!」を、次に「入門英文問題精講(4訂版)」をやりましょう。最低限これで十分です。さらに学習したければ、あとは難易度をあげた問題集をお好みで。

感想 #

実は大学受験の勉強として、精読の勉強をやったことがなく、今回が初めてでした。

ちょうどいま受験シーズンということもあり、受験生に戻った気分で楽しかったのですが、よくよく考えるとフィリピン留学に向けて精読の勉強する必要あるか…?

精読は不要とは言わないまでも、リスニングとかスピーキングとか、まずはもっとやるべきことがあった気がして、ちょっと反省しています…。残りの期間でやれるだけやりたいと思います。