PMP試験合格記録 - 受験申請と勉強方法まとめ(2019年)

PMP試験合格記録 - 受験申請と勉強方法まとめ(2019年)

September 29, 2019

2019 年に PMP(Project Management Professional)試験を受験し合格しました。今後受験される方のために、受験の手続きや勉強方法をまとめます。

私の場合、まず受験申し込みをして、そのあとで勉強を始めました。以下でもその流れに従って「受験申込 ~ 勉強方法 ~ 受験当日 ~ 合格」の流れで記載します。

なお、PMP とは何ぞや、という説明は省略します。色々なサイト、ブログで説明されていますので、必要でしたら他のサイトをご参照ください。正確・最新の情報が知りたければ、PMI 日本支部のサイトか、または英語ができるならば米国の PMI のサイトが良いと思います。

1.受験資格を満たす #

受験資格としては、PMI の会員、非会員あるいは宗教、性別、障害等の有無を問いませんが、実務経験等の一定の条件が必要です。必ず以下の条件を満たしていなければ、受験できません。

  1. プロジェクトマネジメントの指揮・監督する立場での経験
  2. 35 時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講

PMP® 試験の受験資格|一般社団法人 PMI 日本支部

上記の通り2点の要件を満たす必要があります。詳細は PMI 日本支部のサイトを参照してください。以下でそれぞれ説明します。

プロジェクトマネジメントの指揮・監督する立場での経験 #

私は大学を卒業していますので、36 ヶ月間・4500 時間の実務経験を満たせばOKでした。

なお、PMP 受験申込時の私の実務経験はちょうど「36 ヶ月間・4500 時間」くらいでした。

…というより、ようやく PMP 試験の実務経験要件を満たしたから、とりあえず受験してみるか、というのが受験のきっかけです。

35 時間の公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講 #

私は下記を受講することで要件を満たしました。おすすめです。

Udemy というオンライン学習プラットフォームで提供されている E-learning 講座で、前後編合計で 42,000 円と、座学の講座と比較して低価格で済むのがメリットです。

低価格ながらも、NTT データユニバーシティ(NTT データグループの人材育成会社)が提供しているしっかりした講座です。

受講の証しとして修了証明書が必要になりますが、研修終了後、 NTT データユニバーシティのメールアドレスに連絡をすると、PMP 試験用の証明書を発行してくれます。

なお、上記講座内では、PMP の受験申請の手続き方法を丁寧に解説してくれていて、これが思いのほか役に立ちました。

2.受験申請をする #

米国 PMI のサイト(リンクは本記事冒頭に記載)から申請します。

私は先述した Udemy の講座の説明を参照しつつ申し込みました。講座内では、約 60 分かけて詳細に1手順ずつ説明してくれますので、安心して申請できます。

また、米国 PMI のサイトの英語自体はそれほど難しくないと思います。特に今回は資格試験の受験申請ですので、名前や住所と言った定型的ことを聞かれるだけで、心配せずとも、ちゃんと英語を読みながら申請手続きすれば大丈夫です。それでも困ったら Google 翻訳を利用しながら進めましょう。

なお、PMP 受験申請の苦戦ポイントとして「プロジェクト業務歴」の項目がありますので、説明します。

「プロジェクト業務歴」の入力 #

申請の過程で「プロジェクト業務歴(Project Management Experiences)」の入力が求められますので、受験資格のところで説明した「36 ヶ月間・4500 時間」を満たすように回答します。

長々説明するよりも実例を見たほうが理解が速いと思いますので、私が回答したものをぼかした形で下記に記載します。なお、複数のプロジェクト経験を記載してよいため、私の場合は、2つのプロジェクト経験の合計で 「36 ヶ月間・4500 時間」 を満たす形になっています。

  • Title : Restructuring project of the Banking system
  • Date Started : Apr 2016 / Date Through : Dec 2017
  • Primary Industry : IT/Software
  • Project Role : Project Manager
  • Initiating the Project : 450.00
  • Planning the Project : 600.00
  • Executing the Project : 900.00
  • Controlling and Monitoring the Project : 900.00
  • Closing the Project : 300.00
  • Description : I was in charge of the project manager in the restructuring project of the Banking system. The main deliverables are Project charter, Stakeholder register, Project management plan, Risk management plan, Product scope description, Work performance Information, Document lessons learned, Final report. The project required a very tight schedule and was also at high risk. For this reason, I especially focused on schedule management and risk management, and as a result I completed the project without problems.
  • Title : Updating project of the system preparing for Japanese new era
  • Date Started : Jan 2018 / Date Through : Apr 2019
  • Primary Industry : IT/Software
  • Project Role : Project Manager
  • Initiating the Project : 100.00
  • Planning the Project : 600.00
  • Executing the Project : 400.00
  • Controlling and Monitoring the Project : 400.00
  • Closing the Project : 100.00
  • Description : I was in charge of the project manager in the updating project of the Banking system to prepare for Japanese new Imperial era “Reiwa”. The main deliverables are Project charter, Stakeholder register, Project management plan, Communications management plan, Change requests, Document lessons learned. There were many people involved in the project. Therefore, I implemented thorough conflict management. As a result, the project proceeded smoothly and was completed without any recognition differences among the stakeholders.

上記2つで合計「37 ヶ月間・4750 時間」のプロジェクト経験歴になります。

記述をするうえで意識した点として、Description でプロジェクトを説明する際に成果物を記載しますが、成果物の名称を PMBOK 準拠の名称で記載しようと意識しました。

「研修受講歴」の入力 #

また、受験要件の1つである「研修受講歴(Project Management Education)」の入力も求められます。私の場合は、先述の Udemy の講座を受講したため、下記と回答しました。

  • Title : PMP Cert.Prep Course by a Charismatic PMP Trainer Mr. Ikuma
  • Institution : NTT DATA UNIVERSITY Corporation
  • Date Started : Feb 2019 / Date Ended : Mar 2019
  • Hours : 35.00

3.申請が承認されたら、支払いと受験申込みする #

申請が承認されるまで数日間待ちます。

人によっては申請が監査(Audit)対象となる場合があります。その場合、申請内容が偽りのないものであることを証明するために、証明書(※)を PMI に提出します。

※大学卒業を証明するための卒業証明書、プロジェクト業務歴を証明するための上司が署名した業務証明書、研修受講歴を証明するための終了証などです。

申請が承認された場合は、支払い手続き、受験日を決めて受験申込みに移ります。PMI から案内メールが届きますので、それに従うだけで大丈夫です。

4.勉強をする(勉強方法) #

受験申し込み後、勉強を始めました。

勉強期間は2カ月です。平均すると、平日1時間、土日は各4時間くらいの勉強ペースでしたので、2カ月で100時間くらいです。

教材は下記を利用しました。

  • PMP パーフェクトマスター PMBOK 第 6 版対応
  • PMBOK ガイド第 6 版
  • プチまな【第6版完全対応!! 】PMP 試験対策・基礎編
  • プチまな【第6版完全対応!! 】PMP 試験対策・合格編

「PMP パーフェクトマスター」をインプット用の参考書、「プチまな」をアウトプット(および問題を通じたインプット)用の問題集として使用します。

「プチまな」についてはご存じない方も多いと思います(私も PMP の勉強の際に初めて知りました)ので、リンクを下記に貼っておきます。月額課金制のオンライン問題集です。

Puchimana(プチまな) - https://pmana.jp/

今のところ、書籍では PMP 試験の良い問題集があまり無いようで、上記のプチまながベストと考えています。

「PMBOK ガイド」は PMI 会員(受験申請の過程で会員になる方がほとんどと思います)であれば無料で PDF をダウンロードできるため、勉強の合間の気分転換に読んでみるものよいと思いますが、PMP 合格のためだけであれば不要かなというのが個人的な感想です。

ちなみに「PMP Exam Prep: Accelerated Learning to Pass the Project Management Professional Exam」(作者の名前をとってリタ本、と呼ばれているようです)という英語の本も Amazon で購入したのですが、結局読まずじまいでした。

なお、具体的な勉強の仕方は下記のとおりです。特に変わったことはせず、シンプルな勉強法かと思います。

  1. 「PMP パーフェクトマスター」を1周する。
  2. 「PMP パーフェクトマスター」 の付録で ITTO(インプット、ツールと技法、アウトプット)をおおむね暗記する。
  3. 「PMP パーフェクトマスター」をもう1周する。
  4. 「プチまな基礎編」を解く。
  5. 「プチまな合格編」を解く。

結果的に上記勉強で試験に合格でき、成績もそれなりに良かったです。いたって普通な勉強法ですが、これで十二分に合格できるはずです。

勉強する際のポイントは2つあります。

1つ目は、インプット学習(上記項番 1 ~ 3)時には、PMBOK の各プロセスがどのようにつながっていて、ITTO がプロセス間をどのように動いていくのかの流れを意識して勉強すること。

2 つ目は、アウトプット学習 (上記項番 4 ~ 5)時には、問題を解くだけで満足せずに、解説を読んで新たなインプット学習とすることを意識すること(まあ、これは当たり前のことだと思いますが)です。

ちなみに、私は「プチまな合格編」を半分解いたあたりで試験日を迎えてしまったので、最後まで解ききることはできませんでした。

5.受験当日の様子 #

受験申込時に指定した、ピアソン VUE のテストセンターで試験を受けます。あと、身分証明書(パスポート等)はお忘れなきように。

私は千代田区の帝国ホテルタワーで受験しました。こじんまりしたテストセンターですが、落ち着いており、きれいで、非常に快適なテストセンターでした。能力を 100%発揮できます。おすすめです。

なお、私は平日昼過ぎに受験したのですが、受験待ちの方がほかに3,4名いて、皆さん PMP 受験者のようでした。

試験時間は4時間ありますが、私は2時間ほどで回答し、1時間弱かけて見直しましたので約3時間弱で試験を終えました。

試験の完了後、仮判定の結果が出ますが、「コングラチュレーション!あなたの努力をたたえます!」みたいなことが英語で書いてあった気がします。うろ覚えですみません。

6.合格メール、合格証書を受領する #

試験日の夜、PMI から次のようなメールが届きました。正式に合格ということですね。「You earned your Project Management Professional Credential.」

ちなみに、成績詳細もわかるのですが、全体的に「Above Target」でした。これは、良・可・不可・全然ダメ、の4段階の良にあたります。先の勉強法は間違っていなかったということですね。

そして、合格から約2週間後くらいに、PMI から合格証書の入ったレターが届きます。

合格証は結構しっかりとした用紙です。ご参考までに私の合格証を載せておきます。

PMP合格証

また、PMP(をはじめ PMI の資格)保持者は、名前を全世界に晒されます(笑)。これは、その人が有効な PMI の資格を保有していることを PMI が証明することが目的です。逆に言うと、本当は資格を持っていない人が、持っていると嘘をつけないようになっています。

資格保有者は下記から検索できます。合格した際にはあなたの名前も登録されますよ。

PMI Certification Registry - https://www.pmi.org/certifications/registry

7.終わり #

以上、PMP 受験から合格までの流れでした。

なお合格後は、資格維持の活動 (PDU の取得) が必要になりますが、これについては別記事で整理しようと思います。

最後に、PMP 試験の受験を予定されている方、ぜひ頑張ってください。応援しております。